リノベーションコラム

 材料、つまり建材などの素材で変化を付ける場合、色ほど短時間に効果が出るわけではないので、一瞬見ただけでは印象にも残らないことも少なくありません。

材料で変化をつけたほうがやっていることは大胆でも、色の変化ほどギャップが見えないので、それが意図的な試みであるとは取られない場合さえあります。そういう意味では色に比べ、素材感で勝負するのは目に見えて効果として感じにくいかもしれません。

 それに、たいてい素材感のあるものは合成のものではなく、漆喰や無垢の木など天然のものになるため、イニシャルコストが高くつきます。しかし、逆に素材の良さは時を経るとともに、素材感のある材料ほどじっくりと色などに深みが出てきます。革製品と同じで使い込むほどに味が出るのです。そして、イニシャルコストがかかる分、経年変化はかえって深みが出ると評価されるため、合成の材料とは異なり、交換、貼り替えせずにオイルでメンテナンスするなどで、かえって長く持たせることができるという利点があります。

 そのように考えると短絡的に色の変化+ビニルクロスや塩ビタイルなどの合成素材で安くても一見よさそうに見える空間を作るか、あるいは長期的な視野で経年変化を楽しんでもらうことを念頭に、自然素材で多少初期投資しても、それを長期間使い続けることで採算を取るという視点で空間作りをするかの選択になります。

 一つだけ言えることは、合成素材は施工直後の最初の状態が最も美しく、人が住み、時間が経てば経つほど汚れて醜くなっていくものです。反対に、自然素材は施工当初が美しいのはもちろんですが、むしろ使い込むうちに、時間が経つに従ってより味わい深くなっていくという、またひと味違った雰囲気になっていくものです。

 ビニルクロスはそれ自体が発する静電気で自ずとホコリを吸着してしまいます。ウレタン塗装をかけたフローリングは一度付いた傷は修復不可能ですが、無垢のフローリングはスチームアイロンとオイルを使えばほぼ元の状態に戻ります。

 もちろん、素材も使い方次第では予算をかけずにリノベーションは可能です。たとえばガラスブロック、モザイクタイル、エコカラットなどをアクセントとして一部に使うだけでいいのです。クロス一辺倒ではなく、ちょっとしたアクセントにタイルやガラス、石などの素材が使われることで、その空間のイメージが急に良くなり、高級に見えるからです。

 ガラスブロックなどは、それを壁一面に施工するとなると大変ですが、2つ3つをポイントとなる壁面に配置するだけで十分リノベーション効果が演出されます。

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